車の免許を取り立ての頃、友達数人と車に乗ってよく遠出をしていました。都会で運転すると緊張するので車の少ない田舎の方へ行って交代しながらのんびり運転を楽しんでいました
そんな時よく通った道があって、山の中で道の傍を川が流れている長閑な道でした。その川では釣り竿を持っていってよく魚釣りをしていて、夏場はそのままパンツ一丁で泳いだり出来る本当に綺麗な川でした
それから少し経って、その川の下流をダムにする計画があるのをニュースで見ました。
ダムになってしまうとその川や周りにあった村自体もダムの底に沈むことになり、世間ではよく聞いたりしましたが身近に起こると抗えない圧倒的な虚しさがあり寂しかったことを思い出しますが、その数年後立派なダムが建設され村も川も全く面影も無く沈みました
それから何回かそのダムにも足を運びましたが、風景は変わり泳いだりは出来ませんが魚釣りだけは変わらず出来ました。そこで前置きが長くなりましたが不思議な出来事がありました。ダムの途中に車が停めれる広い駐車スペースがあって、友達と二人その中に入り正面にガードレールが見える位置で車を停めて仮眠をしていました
するとガードレールを留めてあるコンクリートブロックの塊の隙間から何か大きい虫が出てくるのが見えました。何百キロもありそうな大きなコンクリートブロックでその隙間から10cm位の動くものがゆっくり出てきて私の車の前を通るのですが最初はクワガタ虫か、カブト虫かと思って集中して見ていたのですが、よく見るとこんなところに居るはずもないサソリの様なものでした
私は当時目が良くて視力2.0あったのでお尻の方が反って頭の方まで出ていて、大きなハサミを持っていて紛れもなくサソリだと思って凝視していました。でも友達が横で寝ているのでドアを開けたら起こしてしまうのでどうしようかと思っていたとき突然友達が『サソリや』って言うじゃないですか。私と友達がとっさに車を飛び出して捕まえようとしたのですが、そのままコンクリートブロックに入って行ってしまいました
そして友達に確認したところ、友達も大きな虫が出て来たので見ていたら、サソリに見えたので思わず叫んでしまったって言うのです。隙間を覘いたり、棒を突っ込んだりしたのですが結局サソリは確認出来ませんでした
日本ではサソリに似た昆虫が思い浮かばないのと、友達も見ていたので今でもサソリだったと思っています。でもニュースにもなっていないので、あれは何だったのかな~